履歴書・エントリーシートの書き方

履歴書やESは、就職応募先へ「自分を売り込む」ための重要な書類です。
この書類が、応募者を知る間接的な第一印象となり、面接に進んだ際、資料として使われますので、慎重かつ丁寧に記入しましょう。

1.履歴書とESの違い

* エントリーシート / 企業が独自に作成した応募書類
その企業が採用したい人材を選ぶために、様々に工夫を凝らした質問を設けて応募者を見極めます。
また、エントリーの多い企業では、選考の第一段階として絞り込みに利用するケースが多くなっています。

* 履歴書 / 応募者が形式を選択できる応募書類
市販されている履歴書には多くの種類がありますが、基本的に社会人向けなので、学歴・職歴の欄が広く、本人の特徴や志望理由の欄が狭い。そのため学生は十分なアピールができません。学生は自分をアピールしやすい学校指定の履歴書を使用しましょう。
エントリーシートや添え状と同封する場合もありますので、できればA4のものを使用しましょう!

2.履歴書記入の注意点

① ハンコ

三文判で押印。記入後に押印を失敗するとやり直しになるので、履歴書を書く際には最初に押す。

② 写真

履歴書で最初に目が行くのが写真です。明るくさわやかな表情で、正面を向いた姿で撮影。

写真がはがれた場合に備えて、写真の裏面に「学校名・学部」「氏名」を記入します。

③ 日付

提出する日を記入する。

④ 名前

記入欄の中央に大きな文字で記入。

振り仮名については、「ふりがな」・・・ひらがな、「フリガナ」・・・カタカナで書く。

⑤ 現住所

都道府県を省略しない。

E-mailアドレス

フリーのメールアドレスでも良いが、連絡がいつでも確認できるアドレスが良い。

⑦ 学歴・職歴

基本的に高等学校入学から記入。「高校」と省略せずに「高等学校」と記す。

アルバイトは職歴に含まないため「職歴」「なし」と記入。

末尾に必ず「以上」と右端に記す。

3.エントリーシート記入の9つのポイント

①設問内容の目的を理解する

エントリーシートの各設問には、企業側が「記入内容から知りたいポイント」が存在します。
それは、相手の目的を理解するということです。
要するに「何のための質問なのか?」を理解した上で記入する必要があるということです。そのことを理解して記入しないと、自分本位な文章になってしまい、相手に全く伝わらない文章になったり、相手に不快感を与えてしまうことすらあります。
すべての設問に対して、相手の目的を理解するということを忘れないで下さい。
例えば、「志望動機」 という設問の目的は、「多くの業界・業種、そして多くの企業がある中で、どうして自社を選択したのか?」
を知るための設問ということです。
このポイントを押さえて記入することが大切です。

②結論から先に書く

エントリーシートのマニュアル本には、何か決まりごとのように書いてありますが、これにはちゃんとした理由があります。
「何故、結論から書く必要があるのか?」 それは、読み手に最初に結論を伝えることで、読み手は結論の内容に該当する情報を、自分の頭の中で探し出し、そのデータと照らし合わせながら文章を読み進めることができるからです。
しかし、結論が一番最後に書いてある文章は、最後まで何について書いてあるのかを探しながら文章を読み進めていく必要があり、非常に読み手にストレスを与えることになるからです。
何百通も読む側によっては、この差はとても大きいものになり、とても重要なポイントとなります。何について記入するのかを明確にした文章を作成して下さい。

※履歴書やESは、自分のことを相手に伝える「報告書類」と同じです。

読み手の立場に立ち、見やすく丁寧な文字で書きましょう

  • 黒のボールペンを使用
  • 修正液や修正テープは使用しない (間違えたら書き直す)
  • 誤字脱字に注意する

③ 読み手の立場に立って書く(読み手を意識する)

これも②の部分と重なる部分がありますが、読む側の立場に立って書くことで 、より相手に伝わる文章を書くことができます。心理学のテクニックの一つに 「エンプティチェア」「ポジションチェンジ」というものがあります。
これは、「相手との立場・役割を変えることで、新たな発見・気づきを得ることができる」というものになります。
この場合でも、エントリーシートを書く学生が、採用担当者としての立場から、自分の文章を読んだ時に、どう感じるのか?どう伝わったのか?という視点を取り入れて、文章を記入することで、より相手に伝わりやすい文章を作ることが可能になります。
自分が伝えたいことをひたすら書き続けるのではなく、読み手にわかりやすい表現なのか?読み手にどのように伝わるのかという意識を持って、記入して下さい。

④具体性を持たせる

これは、文章を書く際に、数値・状態の変化・イメージしやすい表現(五感を表現する)を使用するということです。これにもちゃんとした理由があります。
マニュアル本などには、「コミュニケーション能力」「行動力」「リーダーシップ」などという言葉を使うと、相手に好印象を与えるというようなことが書いてありますが、私はそうは思いません。全くの自己満足に過ぎないと感じているくらいです。それは何故でしょうか?
例えば、「コミュニケーション能力」という言葉を使った場合、その「コミュニケーション能力」とは何でしょうか?
学生と社会人では、その解釈が大きく異なるからです。

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・学生の場合 … 全く知らない環境にでも、すぐに溶け込むことができること
・社会人の場合 … 相手の求めるもの、自分に必要なものを素早く判断し行動することができること

学生と社会人では同じ言葉でも、これだけ解釈に差が出ることになります。
すなわち、大きなギャップが生まれるということです。このギャップがあるということは、学生がその文章を
通して伝えたいことが、相手にしっかりと伝わらないということになります。
ですから、使う側からすると、それなりに見映えはいいのですが、相手には伝わらない文章になっている
ということです。そのギャップを埋めるために、具体性のある文章を書く必要があるということです。

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このように、読み手側の状況をしっかりと理解し、内容を記入することで、書き手と読み手のギャップを最小限に抑えることができ、読み手により伝わる文章を作成することができます。

⑤相手の感動を引き出す

ここで用いる「感動」とは、涙を流したり、震えを覚えるなどといったものではなく、単純に「心が動かされる」という意味で使用しています。
私たちは日々、様々なことに感動しています。それは、快・不快に代表されるように、様々な出来事に対して、いろんな感情を持つということです。
エントリーシートを記入し、読んでもらった際に、相手の「どんなリアクションを引き出したいのか?」ということです。このリアクションの部分が、主に「感情」の部分に相当し、「読み手のどんな感情を引き出したいのかを考えて文章を作成すること」=感動を引き出すということになります。
私たちは、感情の部分に働きかけないものに、心を動かされることはありません。相手が何かを感じ、心を動かされる文章を心がけましょう。

読み手の感情を引き出すための5つのポイント

・納得 他人の考えや行動などを十分に理解して得心すること。

・承認 そのことが正当または事実であると認めること 。

・驚嘆 すばらしい出来事や、思いも及ばない物事に接して、おどろき・感心すること。

・理解 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと

・感動 ある物事に深い感銘を受けて強く心を動かされること 。感動は、『相手の予測を超えること』に対して起こります。読み手の予測を超えるような文章を、具体例を使って表現して下さい。

⑥マニュアル・対策本を信用しない

何種類か、就職活動マニュアル・対策本を読んだことがある人なら気づいた人もいると思いますが、本当に著者によって見解が大きく異なります。(全く正反対の記述もあります)

何故なら、就職活動自体に100%正解というものが存在しないからです。学生も、採用担当者も
全く同じ組み合わせということはありませんし、お互いに日によって、価値観に変化が発生することもあるからです。

また、マニュアル・対策本の著者の経験に大きく左右されるということです。著者がコンサルタント色の強い人の場合は、自分の価値観に相手をはめ込む=答えを与える という傾向が強くなりますし、カウンセラー色の強いの場合は、相手に考えさせる=答えを引き出す という傾向が強くなります。ですから、マニュアル・対策本に正解を求めるものではなく、一つのデータとして活用することをお勧めします。

⑦提出する企業に合った内容を書く

どの企業にも同じ内容のものを提出するという人がいますが、全く問題外です。企業ごとに求める人材は異なり、それに合わせて自分の売りの部分も異なるはずです。
どこにでも対応できる文章は、それだけ個性を発揮することができず、どうしても大雑把な内容になったり、相手にインパクトを与えることができない内容となってしまいます。
企業が求める人材は、プロ=専門性の高い人材のはずです。 しっかりと自己分析ができていれば、企業ごとに内容を変えることなど、それほど大変なことではないはずです。
必ず、企業側の求める人物像を把握し、カスタマイズし、伝わる文章を書いて下さい。

⑧丁寧に余裕を持って書く

書類においても、第一印象はとても大切です。書きなぐってあるものや、真っすぐに書かれていないもの誤字脱字が多い文章の場合、思いやりがない・仕事も雑である・本気で取り組んでいない という
評価になり、落とされる可能性が極めて高くなります。
字の上手い・下手ではなく、丁寧に書くということを心がけて下さい。一目見ればすぐに判断できてしまいますので・・・
無地のスペースのものは、事前に鉛筆などでアンダーラインを引き、行間を統一して下さい。
Webでエントリーする場合は、特に漢字の変換ミスに注意して下さい。
また、締め切り間際に記入すると、どうしても丁寧さや慎重さに欠けてしまいますので、余裕を持って記入できるようにスケジュール管理を行なって下さい。

⑨記入後の注意事項

記入後は、必ずコピーをとっておいて下さい。エントリーシートは面接においても、とても重要なものであり、記入内容について様々な質問をされることになります。企業ごとにエントリーシートの記入内容も異なっているため、必ず面接前に、エントリーシートの記入内容を確認し、面接時の質問に備えるようにして下さい。
また、郵送の場合は、書類を必ず透明のクリアファイルに入れて下さい。 必要に応じて添え状(カバーレター)を添付して下さい。

※エントリーシート作成後の確認事項

文章構成の確認

1)導入部・予告
  ここには、結論やキャッチコピーを記入します。
2)エピソード(具体例)
  出来事を具体的に、読み手がイメージしやすいように表現します。
3)展開  ※文字数や行数により記載
  その経験から得たことや考えを、鋭く・深く、
  そしてできるだけ詳しく書くようにします。
4)まとめ
  全体をまとめて表現したり、現状について記入する。
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